野外料理、特に焚火料理時は常お湯を沸かしておけるケトルがあると大変便利になります。
ワイルドな焚火に合うケトルと言えば、FIRESIDE (ファイヤーサイド)のグランマーコッパーケトルが定番アイテムと言えるでしょう。
使い込む程風合いが増す、そんなグランマーコッパーケトルの魅力についてご紹介したいと思い。
FIRESIDEとは
FIRESIDE (ファイヤーサイド)は代表取締役社長Paul Kastner (ポールキャスナー)氏によって1987年に長野県の「駒ヶ根」で設立された。
ポール氏は、アメリカボストン生まれで、約40年前に尺八を学ぶため来日し、日本でバーモントキャスティング社薪ストーブの輸入代理店としてファイヤーサイドを設立、以降薪ストーブのある暮らしと楽しみ方を提案し続けています。
グランマーコッパーケトルの歴史
名前の通り、ポール社長の幼少期、祖母のネルさんが毎日使用していた銅製ケトルが、グランマーコッパーケトルの原型です。
後に祖母より思い詰まったケトルを譲り受け、日本の物づくりで復刻を決めたストーリーがあります。
若かりし頃のネルおばあちゃんです、美人ですね。
この写真がモチーフとなり、品質の証としてケトルの底面に刻印されています。
購入品紹介
- 商品名:グランマーコッパーケトル(小)
- サイズ:W180×D222×H240mm(本体+蓋)
- 適正容量:2.3L(注ぎ口の下端まで)
- 満水容量:3.3L
- 重量:1,100g
- 本体材質:銅(内側スズメッキ)、真鍮
- ハンドル材質:ステンレス、木(ブナ)
- 生産国:日本
- 購入価格:12,852円 (税抜き)
管理人の私物は2年ほど焚火で使い込んでおり、煤で黒く染まりかなり味が出ています。メーカーHP出典の新品写真と比較しながら紹介して行きます。
広い口元はロウ付けし、リベット加工されています。オリジナルのディテールを忠実に再現しています。
補強のため、ハンドルと本体の接続にファイヤーサイドのロゴがあしらわれた真鍮パーツを使用。
品質の証に、MADE IN JAPANの文字と商品名の由来となった「ネルおばあちゃん」の肖像が底面に刻印されてあります。
秀逸な点7つ
① デザイン
古き良き19世紀アメリカンなデザインがカッコイイ。
薪ストーブトップ用としての歴史がありますが、焚火で使用しても様になります。
奇抜さがなく、普遍的かつどこか懐かしいデザインが魅力です。
② MADE IN JAPAN
本体の素材である銅は、日本屈指の金属加工の街、新潟県長岡市/燕市で加工されています。
20名の職人が80もの工程を経て、やっとケトルの形になります。
中でも今となっては希少となった「ヘラ絞り」という手法で本体、蓋、底面の成型がされています。
職人の熟練の技によってケトルの表面がスベスベで均一な仕上がり、筋状に入る繊細な模様が技のきめ細やかさを語っています。
最終研磨を経たケトルは鏡のような輝きを放て、使用するのを躊躇するほどです。
③ 熱伝導が良い
本体は「銅」でできており、底広のデザインも相まってお湯が早く沸き、特に冬のキャンプ場では大活躍します。
④ 銅素材による殺菌作用
銅素材には優れた殺菌作用があります。
銅イオンの微量金属作用には細菌類を死滅させる性質があり、病原性大腸がんO-157などに対する高い殺菌効果が実証されています。
キャンプに銅製品を取り入れることで、より衛生的に過ごせます。
⑤ 大容量
オリジナルは、薪のクッキングストーブで毎日お湯を沸かすためにあったため、高さは33cmあり、たっぷりの容量となっています。
復刻品については2サイズあり、大サイズの5.2Lと管理人が購入した小サイズの3.3Lです。
正直キャンプシーンでの使用用途はコーヒーのお湯、冬場の洗い物と湯たんぽくらいですので、小サイズの3.3Lサイズで十分と感じてます。
⑥ 使い勝手が良い
グランマーコッパーケトルは、日本の物づくり技術でしか実現できない使いやすさと耐久性が兼ね備えています。
蓋に突起があり、お湯を注ぐ時に蓋が落ちにくい工夫 (加工)がされています。
2箇所のハンドルストッパーは、ハンドルの自立と倒した時に本体に接触しないよう機能します。
注ぎ口に角度を付けることで、お湯たれしにくく快適に使用できます。
補助ハンドルの内側に中空チューブ仕様にすることで、握り安が倍増。
木製グリップによって暖かみが追加され、sanzoku mountainのshockにひっかけ、ワイルドに焚火にかけることが可能。
冬場のキャンプで、ストーブに載せておくだけでお湯が作れ、洗いにものや料理に活用できます。
⑦ 経年変化
使い手により、赤、銅色、飴色、黒になり、その人ならではのエイジング、表情変化が発生します。
焚火で使用しながら、自分で育てる喜び、変化を楽しむことが味わえます。
手間ひまかけて育てたケトルは、世界に2つとないものになり、人生を共に歩む一生のパートナーになります。
ガレージブランドsanzoku mountainさんのアイアン製品と相性抜群。
残念な点4つ
① 収納性
小サイズでも3.3Lほどの大きさになりますので、積載性はケトルの中でかなり悪い部類に入ります。
焚火で煤がついて汚れるのに、専用収納袋がついてないのもマイナスポイントです。
様々なギアの収納ケースを作っているC&C.P.H.EQUIPEMENTからちょうど良いサイズのケースがリリースされています。収納に困ってる方は是非チェックしてみてください。
管理人はRRLデニム購入時についてきた、麻製のケースを使用しています。
② IH非対応
残念ながら、マンションなどの集合住宅での使用を想定してないため、IHクッキングヒーターには対応していません。
③ 価格高騰
本記事を執筆している2020年9月3日現在、小サイズの定価が21,500(税抜き)となっています。
管理人が購入した2018年6月の12,852円 (税抜き)より1万円近く値上がりしています。
キャンプブームとはいえ、値上がり方が尋常ではないです。
④ 蓋が外れにくい
見ための変形は見受けられませんが、外す時に写真のようにハンドルを支点にしないと、成人男性の指の力だけでは外すことができません。
メンテナンス
メーカー推奨のメンテナンス方法は下記になります。
ご使用後しばらくの間、赤みのある鮮やかな色に変化し、その後、徐々に落ち着いた色合いになっていきます。日々のお手入れとして水滴や指紋を乾いた布でこまめに拭き取っていただくと、ムラがなく趣のある風合いに育ちます。
出典:FIRESIDE
指紋や水滴によるムラも「味」とし楽しむため、特に手入れは行っておりません。
注意点
空炊きにご注意。メッキ剥がれや、本体変形の原因になります。
リペア
内側スズメッキ再塗装、表面研磨、ハンドル交換、ハンダ付けなどのリペア修理が可能ですので、詳細は下記リンクよりメーカーHPをご確認ください。
充実したアフターサービスのおかげで、より長く安心して使えます。
まとめ
正直、焚火ケトルに関しては他の商品を使えないほど「グランマーコッパーケトル」を気に入ってます。
死ぬまで使い続け、できれば次の世代に引き継いでいきたい一品です。
価格が高いのがネックではありますが、それ以上の満足感は得られると思います。
本格的かつ長くキャンプや焚き火を楽しみたい方には強くおすすめします。